やはり、土地・建物一体として考える
のが普通であろう。その意味で米国の考え方が自然であるといえる。
この基本認識の違いが、評価方法に具体的にどのような違いをもたらすかを見るために、「自
宅(戸建て住宅)の評価」に「取引事例比較法」を用いる場合を考えてみよう。米国方式では、
比較事例として用いられるのは同タイプの戸建て住宅(土地十建物)の取引価格である。その価
格をベースとして、土地・建物の広さ、寝室数、浴室数、セントラルヒーティングの有無などを
評価対象物件と比較して、対象物件の価格を算出する。
一方、日本では区分所有のマンションなどを除けば、まず周辺の取引事例から対象不動産の更
地価格を算出する。さらにそれとは別に、原価法によって建物価格を計算する。そして、この更
8i第3童不動産価格をどのように評価するのか
だし、一部で間違って解釈されているように、「米国の不動産評価はすべて収益還元法であ
る」というわけではない。米国でも、新築の建物や特定の建築物(学校、図書館など)などでは
「原価法」が用いられるし、戸建て住宅などでは「取引事例比較法」が有効とされている。「収益
還元法」が重視されるのは、貸ビルや賃貸住宅、ホテル、劇場などのいわゆる収益物件を評価す
る場合である。その意味では、それぞれの物件の特性に応じて最もふさわしい手法が選択されて
いるのが米国流であるという理解が正しい。